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田園風景が広がる自然豊かな地域に建つ、田の字に和室が並ぶ標準的な木造2階建て住宅を若い夫婦とその子供のために改修しました。
親世代から引き継いだ住宅に、新しい家族の暮らしにあったプランニング、断熱補強、ガレージを付加する事が求められました。
まず何と行っても、その大きさ、標準的と言えども100坪越えの床面積、4人で暮らすには当然持て余す規模です。
ストックを引き継ぐ事のサステナビリティは歓迎すべきですが、施工面積過大による改修コストの大きさに、着地点が定まらず、結局解体して小ぶりな新築になりがちなこの頃。
いかに古くからの日本住宅様式と現代の暮らし(多様性)を調停させ次世代へ受け継ぐかが鍵でした。
ここでは希望されていたガレージを暮らしの領域に貫入させる事を試みました。
もともと仮住まいとして建てられていた西側の部分を減築し、車用ガレージにしました。北側の和室は床を解体し土間空間に換えバイク用ガレージとし、隣接する和室もガレージの延長として趣味のスペースに、南側の和室と縁側をワンルームとしてLDKに設える事で、ガレージと暮らしが適度な距離でつながりました。
6畳間が並び細かく仕切られていた2階は、間仕切りを全て取っ払い、空間を開放的に広く使えるように調整しました。
日本様式がもつゆるやかな展開、景色、庭、大きな屋根、軒下、縁側、居間へと続く景色の連なりに、新たにガレージを参加させました。
日常に自動車が不可欠な地方で、有り余る古住宅の再生の一つのケーススタディとなるプロジェクトでした。
設計:川島裕一建築設計事務所
施工:松野工務店
構造:木造在来工法
規模:地上2階
延床面積:305㎡(93坪)
所在地:滋賀県
写真:山崎純敬
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